中原中也の会第28回研究集会

                                                                           

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テーマ 直筆原稿で読む中原中也

日 時:2025年6月15日(日)13:30~17:30 オンライン配信あり 

会 場:國學院大學 院友会館   〒150-0011 東京都渋谷区東4-12-8 電話 03-3400-7781(代表)

参加費:1,000円(学生は500円)

①【ご案内・タイムテーブル】
②【出演者プロフィール】
③【オンライン配信について】
④【お問い合わせ】

①【ご案内・タイムテーブル】

■ご案内

●オンライン配信は、映像・音声が鮮明でない可能性があります。また、質疑応答の際、音声を使用しての質問はできません。あしからずご了承ください。
●オンライン配信の視聴は無料です。また、視聴には登録が必要です。登録方法は「3 オンライン配信」をご確認ください。
●対面・オンライン配信ともに、会員外の方もご参加いただけます。
●対面参加の場合もオンライン配信を視聴する場合も、本ウェブサイトで最新情報を随時ご確認ください。

■タイムテーブル

総合司会:中原 豊(中原中也の会副会長、中原中也記念館館長)

◆開場 13:00 
    ※参加費:1,000円(学生は500円)

◆開会の挨拶 13:30-13:35 
    阿毛久芳(中原中也の会会長、都留文科大学名誉教授)

◆第1部 研究発表(発表40分、質疑応答10分)13:35-15:20 
 ①「中原中也の「遅さ」」         
   武久真士(神戸市立高等専門学校講師)

 ②「語られない歌舞伎―中原中也「我が生活(明治座に)」論―」
   齋藤樹里(実践女子大学助教)

 司会 佐藤元紀(中原中也の会理事、千葉大学准教授)

15:20ー15:30 休憩

◆第2部 「直筆原稿で読む中原中也」
 ①小講演「可能性としての中原中也」15:3016:15     
  佐々木幹郎(中原中也の会理事、詩人)

16:15ー16:25 休憩

 ②パネルディスカッション 16:25-17:25 
  パネリスト:多田蔵人(国文学研究資料館准教授)、佐々木幹郎
  司会:中原豊

 ・報告「どの言葉を選ぶか?――中原中也の自筆から」
  多田蔵人
 ・ディスカッション

◆閉会 17:25

懇親会 18:00 
 会場:國學院大學院友会館
 会費:6,000円(5月31日(土)までに要申込、一般の方もご参加いただけます)

②【出演者プロフィール】


■研究発表

武久 真士(神戸市立工業高等専門学校講師)
2024年3月、大阪大学に博士論文を提出し、現在は神戸市立工業高等専門学校講師。専門は日本近現代詩研究。主な研究対象は中原中也、三好達治、佐藤一英など。近年の論文には「一九三〇年代の詩壇における形式論――春山・萩原論争を手がかりに――」(『SAKU202312月)、「《参加》と《動員》の詩学――佐藤一英「聯」論」(『阪大近代文学研究』20253月)などがある。

【「中原中也の「遅さ」」発表要旨】
中原中也の評論「芸術論覚え書」(1935)については、従来その思想的背景や理論構成が注目されてきた。しかし中原が「名辞が早く脳裡に浮ぶといふことは尠くも芸術家にとつては不幸だ」「面白さが限界に達すること遅ければ遅いだけ芸術家は豊富である」など繰り返し「遅さ」に言及していることも、本評論を構成する重要な要素のひとつとして注目される。さらに中原は同時期の評論「詩と其の伝統」(『文学界』1934.7)でも、詩の本質を「ゆたりゆたり」の中に見る。中原の詩と詩論を考えるうえで、繰り返し登場する「遅さ」は見逃すことのできないモチーフなのではないだろうか。本発表では中原の詩法の一側面に「遅さ」があることを明らかにし、それが「朝の歌」「冬の明け方」「春日狂想」など複数の作品で主要なモチーフとなっていることについて論じるものである。

齋藤 樹里(実践女子大学助教)
國學院大學文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。実践女子大学助教。太宰治作品を中心に、日本近代文学における芝居の引用を研究。単著『見立てと女語りの日本近代文学―斎藤緑雨と太宰治を読む―』(文学通信、20252月)、論文「太宰治「ヴィヨンの妻」論―「仮名手本忠臣蔵」への接近と離脱―」(「昭和文学研究」20239月)などがある。

【「語られない歌舞伎―中原中也「我が生活(明治座に)」論― 」発表要旨】
中原中也「我が生活(明治座に)」は、昭和5年6月制作と推定される草稿である。初世中村吉右衛門による明治座での「勧進帳」満員の噂から始まり、観劇の様子が語られる本テクストは、上演された歌舞伎の具体的な舞台成果、すなわち物語の展開や演出、役者の演技に対する批評といったいわゆる「劇評」が展開されることを期待させる。だが実際には、「私」が観劇に至った経緯や見料、座席の位置、歌舞伎を鑑賞する人々への評価など外側の事情が語られるばかりで、「私」による「劇評」は存在しない。つまり事実上、歌舞伎は語られていないのであり、ここに存在するのは〈歌舞伎への沈黙〉というべき態度なのである。観劇を放棄し銀座へと向かう「私」の内省は、自らが「詩人なるもの」に「多分生れついてゐる」という自己認識へと帰結する。〈歌舞伎への沈黙〉が生み出すのは自身が「詩人」であることの自覚であり、詩こそが「我が生活」であるという「詩人」としての「私」の物語なのである。

 

■パネルディスカッション

多田 蔵人(国文学研究資料館准教授)
1983年生。鹿児島大学法文学部を経て、国文学研究資料館研究部准教授。著書『永井荷風』(2017、東京大学出版会)、編著『荷風追想』(2020、岩波文庫)、校注『断腸亭日乗』(2024~続刊中、岩波文庫)

佐々木 幹郎(中原中也の会理事、詩人)
1947年奈良に生まれ大阪で育つ。米国ミシガン州立オークランド大学客員研究員、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文芸非常勤講師を歴任。詩集に『蜂蜜採り』(書肆山田、高見順賞)、『明日』(思潮社、萩原朔太郎賞)、『鏡の上を走りながら』(思潮社、大岡信賞)など。評論集に『中原中也』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『アジア海道紀行』(みすず書房、読売文学賞)、『東北を聴く―民謡の原点を訪ねて』、『中原中也―沈黙の音楽』(ともに岩波新書)など。『新編中原中也全集』全6巻(角川書店)責任編集委員。

中原 豊(中原中也の会副会長、中原中也記念館館長)
1958年山口県生まれ。鹿児島女子短期大学、長崎大学教育学部で教員を務めた後、2003年から記念館副館長、2009年から中原中也記念館館長。中原中也を中心とする日本の近代文学を研究、著書(共著)に佐藤泰正編『中原中也を読む』(笠間書院)などがある。

 

③【オンライン配信について】

オンライン配信は、映像・音声が鮮明でない可能性があります。また、質疑応答の際、音声を使用しての質問はできません。あしからずご了承ください。
お申し込み方法

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④【お問い合わせ】

中原中也の会事務局(中原中也記念館内)
E-mail: nts[a]chuyakan.jp ※[a]を@に変えてください。
TEL: 083-932-6430 FAX: 083-932-6431