【終了しました】中原中也の会第25回研究集会(オンライン開催)

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テーマ 「荒地」派の詩人たちと中原中也

日時 2022522日(日)13:00~16:30 オンライン開催(Zoomウェビナー)※要事前予約・参加費無料

当初、対面形式で開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、オンラインで開催することに決定しました。

①【ご案内・タイムテーブル】
②【報告(概要・報告者プロフィール)】
③【参加方法】
④【お問い合わせ】

①【ご案内・タイムテーブル】

■ご案内(オンライン開催について)

 参加については、事前登録が必要です。中原中也の会会員のほか、一般の方もご参加いただけます(参加費無料)。

③【参加方法】に記載されている方法に従って、事前登録をお願いいたします。

資料は③【参加方法】の「資料のダウンロードはこちらから」よりお願いいたします。

■タイムテーブル

◆開会の挨拶 13:00-13:10 阿毛久芳(中原中也の会会長、都留文科大学名誉教授)

◆報告①

13:10-13:50 北川透(詩人、批評家)

「詩(人)の個性、連続性、切断について」

◆報告②

14:00-14:40 宮崎真素美(愛知県立大学教授)

「鮎川信夫と中原中也―「生命の倦怠」は「地球最後の日まで止むことがない」―」

◆対談 15:00-16:00

◆質疑応答 16:00-16:20

◆閉会の挨拶 16:20-16:30 中原豊(中原中也の会副会長、中原中也記念館館長)

(総合司会)佐藤元紀(千葉大学教育学部准教授、中原中也の会理事)

②【報告(概要・報告者プロフィール)】

〇企画概要

 戦後の詩を切り拓いた鮎川信夫、田村隆一らの「荒地」派詩人たちは、戦争と死に直面した世代である。彼らは、中原中也および戦前の詩にどのように反発し、一方で何を引き継いだのだろうか。「荒地」派の詩人たちの中原中也への眼差しを通じて、両者の詩や思想について検討したい。それは、戦後における中原中也の受容を問うことでもある。

 

■北川透「詩(人)の個性、連続性、切断について」(13:10-13:50

〇概要

 この概要では詩人の〈個性〉について一瞥しておく。まず、《ダダ、つてんだよ/木馬、つてんだ/原始人のドモリ、でも好い》というような詩を、まだ十六歳の少年中也が、たくさん書いていることに注目すべきだ。高橋新吉の『ダダイスト新吉の詩』から学んだダダの語法は、後に消えるが、文体、言い換えれば、詩の思想としては、中也から、生涯、消えることがなかった。《ホラホラ、これが僕の骨だ、生きてゐた時の苦労にみちた/あのけがらはしい肉を破つて、しらじらと雨に洗はれ、ヌックと出た、骨の尖。》(「骨」)。まさしく、後年になっても、中也は《原始人のドモリ》を語ってやまない。これを詩人の個性と言っていいだろう。戦後詩の世界を代表する「荒地」派の詩人からは、田村隆一に焦点を当ててみたい。なぜなら、このグループの理念を代表するのは鮎川信夫だが、戦後詩人としての個性が、もっとも際立つのは田村だからだ。戦後いち早く書かれた田村の詩は、《一篇の詩を生むためには、/われわれはいとしいものを殺さなければならない/これは死者を甦らせるただ一つの道であり、/われわれはその道を行かなければならない》(「四千の日と夜」)だった。この《死者》とは、田村と同世代の戦死者のことだ。《ぼくの骨》に魅入る中也と、自分の身代わりのように戦いで死んだ者を甦らせるためには、愛しいものを殺さねばならないという田村。この二人のアイロニーは、どこで連続し切断されているのか。

〇プロフィール

1935年 愛知県碧南市に生まれる。1962年、詩と批評誌「あんかるわ」を創刊し、1990年に84号をもって終刊。1991年山口県下関に移住。山本哲也と隔月刊の詩と批評誌「九」を創刊。その他、「菊屋」、「耳空」、「KYO(峡)」「鯨々」など多くの詩誌にかかわる。著書に『中原中也の世界』、『中原中也わが展開』、『中原中也論集成』、『荒地論』、『現代詩論集成 鮎川信夫と「荒地」の世界』等がある。

 

■宮崎真素美「鮎川信夫と中原中也―「生命の倦怠」は「地球最後の日まで止むことがない」―」(14:00-14:40

〇概要

 「生命の倦怠をどこまでもひきずってゆき、地球最後の日まで止むことがないといった奇妙なイロニイを伴った悲哀の純粋持続が、そこにはある。そのような純粋持続の絶対性が、とりもなおさず彼にとっての詩であったように思われる。」(鮎川信夫「解説」『現代日本名詩集大成7』昭35・11)
 鮎川信夫は一抹のユーモアを交えながら、的確なことばで中原中也を射止めている。「荒地」の詩人たちのなかで、大真面目に中原の詩に対座したのは黒田三郎(「日本の詩に対するひとつの疑問」『荒地詩集1954』昭29・2)であり、「日本の私小説と殆ど異ることのない」「畳の上にねそべつた蒼白い孤独な男の独白」と断言した。鮎川、北村太郎、三好豊一郎らの論じ方には、そうした黒田に理解を示しながらも、中原に対して時に親しみの込もった素振りのあらわれるのが目を引く。「妙ちくりん」、「変な感じ」、「奇怪」……、「なんとも拙劣で、オッチョコチョイで、いい気な奴」(鮎川)、「中也なんか、もうたくさんだ」(北村)。
 彼らの「近代の倦怠をめぐる反語的座談会」(『ピオネ』昭23・6)を響かせたような、鮎川信夫「繋船ホテルの朝の歌」(『詩学』昭24・10)を読みながら、〈倦怠〉を軸に中原と鮎川とを照らしたい。

〇プロフィール

1964年愛知県生まれ。著書に、『戦争のなかの詩人たち―「荒地」のまなざし』(単著)(2012年 学術出版会)、『鮎川信夫研究―精神の架橋―』(単著)(2002年 日本図書センター)、『言葉の文明開化―継承と変容―』(共著)(2007年 日本図書センター)、『コレクション・都市モダニズム詩誌30 戦後詩への架橋Ⅱ』(編著)(2014年 ゆまに書房)、『青い馬』(復刻版・共編著)(2019年 三人社)ほか。

③【参加方法】

■参加のための事前準備

以下のリンクから、登録を行ってください。

 Zoomウェビナーに登録する

 

報告には資料があります。研究集会に参加する前に、あらかじめダウンロードしておいていただき、報告の際に閲覧できるようにしておいてください。

【報告の資料を公開しました】 ※北川透氏の資料に差し替えがあります(5月19日)

資料のダウンロードはこちらから

ダウンロードに必要なパスワードは、ウェビナー登録後に送られるメールに記載されています。資料は、印刷することも可能です。なお、ダウンロードや印刷した資料の複製や再配布は固く禁じます。

※523日までアクセス可能です。それ以降はアクセスできなくなります。

 

■研究集会当日

 

研究集会には「視聴者」として参加することができます。Zoomウェビナーでは登壇者・司会者のみが表示され、「視聴者」は画面には表示されませんので、ご注意ください。

対談後の質疑は、音声により行ないます。司会が質問を募りましたら、Zoomの「手を挙げる」ボタンを押してください。司会者が指名して「ミュートの解除」を求めますので、それを承認して音声でご質問ください。(PC等にマイクが接続されている必要があります。)

 

■その他

不明な点がございましたら、中原中也の会事務局にお問い合わせください。ただし、Zoomの使い方については、事務局では回答しかねます。Zoomヘルプセンターなどでお調べください。

④【お問い合わせ】

中原中也の会事務局(中原中也記念館内)

E-mail: nts[a]chuyakan.jp ※[a]を@に変えてください。

TEL: 083-932-6430 FAX: 083-932-6431

Zoomの使い方については、事務局では回答しかねます。Zoomヘルプセンターなどでお調べください。