「ダダブック」
磯部孝文さん(東京都)
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「ダダブック」は中原中也の世界観をダダの手法によって垣間見ようという試みです。
本を開くと1ページが付箋状に分かれ、1枚につき1メッセージが書かれています。
メッセージの内容は中原中也の詩から引用した彼の言葉とします。
付箋は裏面に切手のような糊がついていて切り離してブックから引き出します。
様々な所に貼られた付箋はいつしか一つの文章を生み出すことでしょう。
そこから生まれる文章は彼の言葉で綴られた彼の生きた時代の手法によってつくられたものです。
何度も彼の言葉を引き出すと次第に付箋は減っていき、終いには空のカバーだけが残ります。
その過程において、彼が生涯の業とした言葉の持つ力強さ、そして儚さを感じる事になるでしょう。
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