施設紹介
中原中也記念館について
中原中也記念館は、中原中也のふるさと山口を訪れる人々に、その風土を通じて中也の世界を感じていただくことを目的として、平成6(1994)年2月18日、生誕地に開館しました。中也の生家は湯田温泉に広い敷地をもつ大きな医院でしたが、昭和47(1972)年の火事で茶室と蔵を残して焼失しました。記念館はその生家跡の一部に建てられており、火事の際に遺族によって運び出された中也の遺稿や遺品を中心に、貴重な資料を公開しております。 また、記念館開館を契機に創設された「中原中也賞」などの関連事業や、平成8(1996)年に発足した「中原中也の会」の活動をサポートしており、平成16(2004)年2月には開館10周年を記念して、新たな角度から中也の詩業やその足跡を紹介できる展示構成の大幅なリニューアルを行いました。建物について
この記念館では、外の風景や柔らかい光を取り入れたり、吹抜を設けることで限られた空間に拡がりと奥行を与えると共に、回遊性を持った空間構成により繰返し中也と出会うことができるように計画しています。 こうした試みが、中也との出会いを一層印象的なものとし、彼の詩の世界により深く触れるきっかけとなれば幸いです。そして、中也の詩と共にすごした時間がその背景としての建築空間と共に、訪れた方々の記憶に残ることができれば大変うれしく思います。(中原中也記念館設計:宮崎 浩/プランツアソシエイツ)展示について
館内は、常設展示・テーマ展示・企画展示の三部構成になっております。 また、書籍や映像・音楽などで中也の世界に親しんでいただけるコーナーを設けています。展示
常設展示 ―中也の詩業・生涯
中原中也の詩人としての業績を、「初期短歌」「翻訳詩」「『山羊の歌』」「『在りし日の歌』」に分けて紹介します。また、その30年の生涯を、中也自身の言葉や関連する人物の証言とともに紹介します。テーマ展示・企画展示
テーマ展示は1年ごと、企画展示は年数回展示替えを行い、何度訪れていただいても常に新鮮な中也の姿を紹介できるようにしています。屋外展示
中原中也記念館の中庭には、中也がかつて東京と故郷との行き来に利用していた山口線で使われていた枕木を一部敷きつめた一画があります。そのスペースを開放し、中也の詩を簡単な解説つきでご紹介しています。 記念館入り口へと向かうアプローチには、みなさんの記憶の中に眠っている中也の言葉を呼び覚ましていただくために、教科書などでよく知られた中也の詩の一節を展示しています。フロアガイド
- 1階 1 中也生誕の碑 2 中庭 3 常設展示室 4 中也記念室 5 音楽・映像視聴コーナー
- 2階 6 ホール 7 資料検索室 8 ビデオ放映室 9 企画展示室 コインロッカーを1階に設けております。
1 中也生誕の碑
- この地が中也の生家跡であることを示す碑と中也が幼少の頃からあるカイヅカイブキの木があります。
2 中庭
- 中也ゆかりの山口線の枕木をイメージした材木を使用した中庭に、屋外展示を設けて記念館へのアプローチとしています。
3 常設展示室
- 中也の業績と生涯を紹介するとともに、新たな角度から中也の詩の世界を深く追求していくテーマ展示を行っています。
4 中也記念室
- 記念館の中心となる象徴的な空間は、中庭を望みながら自由に読書のできるスペースになっています。
5 音楽・映像視聴コーナー
- 中也に関する音楽や映像の視聴ができます。
6 ホール
- 中也とも親交の深かった彫刻家・高田博厚のブロンズ像を展示しています。
7 資料検索室
- 中也に関する資料を検索することができます。
8 ビデオ放映室
- 記念館で制作した「中也の軌跡」の放映を随時行っています。
9 企画展示室
- 数ヶ月サイクルで多様な視点から中也の世界に迫る企画展示を行います。